分かりづらいお洋服の販売は、語れる部分が多く個人的に大好きなのだが、分かりやすいお洋服を好んで着る僕にとっては、分かりやすい色やデザインで別注を作った方がいいはずだ。だけれどもどうしてか、今回は少しだけでも分かりづらい洋服で挑みたかった。
LITTLEBIGと10周年別注を作らせていただくことは、必然だったと思うのだが、今回は前回のような攻めた色味ではなく、分かりづらく何かひとつに拘ったものを作りたかった。
一際かっこいい黒を作ろう。
単色やチェック、ストライプがテーラードの王道だが、もっと攻めたテキスタイルを作りたかった。ここでいう攻めたモノは、"ド派手な"を意味するわけではなく、やはり分かりづらいものだった。
深い黒。淡い黒。緑がかった黒。それとも生地がとてもしっとりとした黒?
これは黒。どっからどう見ても単色の黒。そう、真っ黒。真っ黒というものは、とてもいい。ノッチドラペルの真っ黒のスーツなんてものは、どこにでも着ていくことができるのだから。
いや、違う。僕たちが作ったものは、真っ黒じゃない。LOOKでは、あえて分かりづらく、柄が見えないようにモノクロにまでして仕上げているが本当は真っ黒じゃない。
太陽や照明によって鈍く光り、見え隠れするのは全く嫌味のない蛇柄。そう、これこそが今回僕たちが表現したかった一際かっこいい黒。一見して分からなくていい。分かる人にだけ分かればいいと思えるものを作ることができた。誰かが言っていた、ファッションというものは崇高なもので、地球上のみんなが買えたらいけない、というか面白くない。僕は思った。どうせ作るなら、どうせ売るのなら、消費されるようなものではなく、買った人のみがちゃんと楽しんでもらうことができるような気高いものが良い。
パイソンだから、結婚式にはふさわしくない。けれども、成人式や卒業式にはどうだろう。ノッチドラペルだから、オケージョンに合わせて欲しい。普段着にも良い。得意な合わせすぎるけど、僕ならフレアデニムを合わせる。身幅はすっきりと細く、縦に長いシルエットに見えるから細身のパンツを合わせて欲しい。
YOUNG BUCK JACKET/YOUNG BUCK TROUSERSと名付けたこのアイテムを購入してくれた方には、オリジナルで作成したYOUNG BUCK SUITと書かれたピンズをプレゼント。
勿論単品のみのご購入でもお渡しさせて頂きますが、SUITとつけているくらいなので、セットアップでのご購入をお勧めしています。
単品で購入した多くの人が、後悔している人は結構いるしね。
LITTLEBIGの代名詞であるテーラードジャケットを今の僕たちなりに表現すると結果としてこうなった。一際かっこいい黒のお洋服をキーワードに、普段決して好んで着ない黒だけども、これで挑みたかった。分かりにくい服と言ったけれども、直接見るとかっこいいと思う。自信がある。崇高なもので、みんなに共感してもらわなくて良いと言った。ワールドイズマインだけど、ワールドイズユワァーズであるし、ワールドイズアワーズでもある。やっぱり多くの人に共感してもらえたら嬉しいです。
発売は、店頭・オンラインショップにて明日正午から。
皆さん、どうぞよろしく!
河村伊将
PS.馬渡さん、本当に有難うございました。11年目もよろしくお願いいたします。
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