「もう大人ですね」
一体全体何歳から大人っていうんだ。
先週の日曜日だったけな。その子は、確か1年半ぶりくらいにお店に来てくれた。初めてパレットに来てくれてから3年は経つが、この日、1年半ぶりくらいに会った気がする。うん、とても久しぶりだった。お店はありがたいことに少し混雑していて、全員とゆっくりと話すことができる状況では無く、彼とも少しだけ話をしただけだった。
「いまおいくつになったんですか?」
「次の1月で、25歳だよ」
「もう大人ですね」
ふわっと、絶対に吹いていないのに、風を感じた。なんとも言えない気持ちになったのだ。それは、昔、目上の方々に言われて嬉しかった大人だね。の言葉とは違った虚無感のような気がする。心の奥底に隠されていた、子どもでいたい、という気持ちが溢れかえった気がした。肉体だけでなく、精神もほとんどは、すでに大人になっていたが、少し残っていたこの感情について僕は考えなけらばならない気がした。
一体全体何歳から大人っていうんだ。
法律上では、18歳から選挙権があり大人なのかもしれない。
年を重ね、責任も増え、自然と落ち着かなければならないようになってきたかもしれないが、まだまだ余裕がないときも多い。こうやって大人ではない風に見せること自体は子供なのか。はたまた、嘘が上手な大人か。今はまだ答えはわからなずとても曖昧だ。
elephantTRIBALfabricsの今シーズンには、どこか同じような空気を感じた。
懐かしさを感じるオリジナルのサテンのセットアップは、コンビニに溜まる子どもたちが楽で着ていたジャージのような傍らで、大人がリゾート地で着るような上品なパジャマのようにも思える。それは、ペイズリーのプリントからか、センタープレスが入ったディテールか、実際自分自身が着て分かったあの素晴らしい着心地からなのか。
どこからか、定かではないが確かに僕の感情と同じようだった。
前身頃と後ろ身頃で違う袖の仕様のおかげか、着用する上でのストレスは全くない。スッと体と一体化する。服を着るなんて言葉は、この服にはいらないようだ。
フロントの左裾付近には一度解体され別の生地が切り替えられていたり、サイドスリットを表現できるボタンと、さらに2つアジャスターとなるボタンがあったり。デザインポイントは沢山あるが、デザインと感じさせないくらい自然だし、その素晴らしい着心地に甘えてしまいついつい紹介を忘れてしまう。
この服は、少し大人にさせてくれるような気がする。
今シーズンは、70年代に人気を博した某遊園地にフォーカスしている。しかし今は、あの頃の栄華を微塵も感じさせることのない跡地になったと聞いた。
沢山の人やフラミンゴは今はいない。大きなプールは、ゴミ溜めになっているそう。盛者必衰の理とは、まさにこのことのようだ、調子にのるなよと自分に言い聞かせる。
オリジナルのグラフィックは、栄えていたころの遊園地と今の遊園地を同時に表現しているのか、大人とはと悩んでいる僕のことを表現しているのか。空は雲1つない晴天で、そこには、ヤシの木が生えていて華やか。視線を少し下にずらす。プールの中がゴミ溜めになっていて、靄がかかっている今の僕の心のようでもある。
毎回、エレファブのグラフィックには惹かれるな。今年の夏は、自分自身のようなこのアイテムと共に過ごすことになりそうだ。
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ブログを書いていて、少し大人とは何かの答えに近づいた気がする。
法律上の大人、肉体が変わった大人、落ち着いた精神が形成されたから大人。
どれを取っても正解だと思うが僕が近づいた答えは、自分自身が大人だと感じたときこそが大人ではないのであろうか。
僕は、もう大人だと思うことにした。
河村伊将
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