青いベルベット

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まず、10周年アイテムを企画する上で考えていたことがあります。
10年は一つの区切りですが、河村さんを始め、パレットのみんなはまだまだやれる、こんなもんじゃないという未来への情熱を感じていました。
なので、完成された服よりも未来が楽しみになるようなアイテムが良いのではと、ぼんやり思っていました。
そして少し時間が経ち、河村さんと中目黒で食事をしましたね。
その時に河村さんが着ていたのが1984年ロサンゼルスオリンピックのUSA代表の公式ウェアの青いベロアのジャージブルゾン。
偶然にも私も同規格のパンツバージョンを愛用しており、大げさかもしれませんが運命的なものを感じました。
 
この出来事をきっかけに、倉庫に眠ったインディゴベルベットの存在を思い出したのです。
ベルベットの糸をインディゴ染めする技術は大変困難という理由から今後生産が出来ない可能性があるという事もいまここでやるべきだという決意を後押ししました。
 
このインディゴ染めされたベルベットは色落ちが激しく、デニムのように着用を重ねるほど持ち主の"面(カオ)"になっていきます。
1着の洋服が未来が楽しみにさせてくれる。そんな浪漫を込めてブルゾンと、フレアパンツとサイドジップブーツ の3つのアイテムを作りました。
 
貴方だけの、親友のような1着になれば幸いです。
 
 
そして
未来が楽しみになるような試みがもう一つあります。
1年後か2年後、これらのアイテムを買った人が集まる場を設けるつもりです。
君の色落ち素敵だねとか、あなたは穴が開くまで穿いたんだねとか、俺リメイクしちゃったんだよとか、この服たちを介して新しい出逢いが生まれることを期待しています。
特に素敵な人には何か贈り物が出来たら良いなと思ってます。
まだ具体的な事は決めていませんが、河村さんとまたお酒でも飲みながら楽しい事考えますね。
 
着こまれた、穿き込まれた、履きこまれたそれらを見る事をとても楽しみにしています。
みんなの未来が楽しみになるように作ったものですが、私もいつの間にか同じ気持ちでいるようです。
 
また会いましょう。
 
後藤
       MASUの後藤さんと行った中目黒のご飯やさん
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