カルチャーを発信していく店として、
どうあるべきなのか。
正しい答えは、さっぱり見つからない議題だが、
ここ最近自分の中でひとつ、答えに近づいた気がする。
パレットに来てくれる人や、このブログを見てくれる人
つまりは、パレットを愛してくれる人と
もっともっと深いことを共有し、
お互いに成長することではないか。
みんなでファッションの価値を底上げしていくために。
みんなでどうしていくかを考えることが、
ファッションという文化を形成していくことにおいて
とても大切なのではないか。
例えば、
今、自分自身がファッションに対し感じていること、考えていることを
言語化し、共有することは、
聞いた相手に作用し、何かが生まれるかもしれない。
新しい価値観が形成されたその聞いた人がまた発信し、、、
と連鎖が生まれ、
大きなムーブメントになっていき、
それがカルチャーとなっていくのではないだろうか。
その始まりの場所でパレットは在りたいと思う。
話は少しずれたが、表題の言葉
"文化が自分にとって何であるか。"
オラファー・エリアソンという現代アーティストが
放った言葉は、とても印象的だった。
私が、彼を知ったのは、今年の7月上旬。
展示会シーズンの少し前に東京に行ったとき、
東京都現代美術館にて彼の展示会が行なわれていた。
そして、それから1ヶ月後。
再び東京に、次は展示会で行ったときに、
もう1度彼の名を聞くことになる。
YUKI HASHIMOTO
2021
Spring Summer Collection
"BLACK INTELLIGENCE"
今シーズンのYUKI HASHIMOTOは、
エリアソンから影響を受け、作られている。
1stデリバリーでは、上記のLOOKで着用されている、
シャツ、ニット、コートが当店に入荷。
今回TFW(Tokyo Fashion Week)にて、
ブランド初のファッションショーが行なわれた。
ショー会場は一面アルミホイルで覆われ、無機質な宇宙のような空間に。
実際拝見させていただいたのだが、
ブランド初のショーというものはやはり感動する。
取り扱ってちょうど1年たったあの日、
共に成長して来たブランドの晴れ姿を
本当に見ることができて良かった。
ショーのレビューは、また後日にでも。
「エリアソンの作品は、
物質的には、無機質な雰囲気である一方、
精神的には強いメッセージを孕んでいる」
とデザイナー橋本氏は言う。
私が、このブランドについて皆様に伝えたいことは、まさにこのことだ。
ブランド名、そしてデザインが、先行してしまっているが、
このブランドの本当の面白さは、
ずっと先にあることを多くの人はまだ知らない。
本日は、コートについて紹介していこう。
シルクウールの素晴らしいテキスタイルを使用した
スペースリアリティをテーマに、
機能性をどれだけディテールで表現できるかを意識した今回、
このコートでは、前身頃に立体的で大きなポケットを作った。
宇宙で調査する際に、
採取した様々なことを入れることができるくらい大きなポケットは、
カバンのように重宝する。
サンプルの段階から、
2~3回付け直しようやく満足のいくものに仕上がったらしいポケットは、
「工場を泣かせてしまった」
とYUKI HASHIMOTOチームは言っていた。
シルクウールの柔らかく、美しいテキスタイルで、
この立体的なポケットを表現することは、かなり難しい。
どうしても歪んでしまうところだが、
そこを諦めず細かい部分を変更していくことで成功。
ブランドのディテールへの拘りが見える部分だ。
前述した通りの美しいテキスタイルは、
橋本氏が自ら探しに行き、ようやく見つけたもの。
是非直接ご覧になって頂きたい。
ブランドのシグネチャーアイテムとも言えるトレンチコート。
今回、ブランドでは
初めて撥水加工が施された
マットな質感のテキスタイルで作成。
ガンフラップを曲線で表現したのは、
エリアソンの敬意からか。
エリアソンが描く有機的なものと無機質なものを
YUKI HASHIMOTOは、曲線で表現。
まるでそれは、エリアソンが撮り続けている
アイスランドの氷河のようだと感じた。
固いコットンギャバジンの生地を曲線で作ることは、
これまた非常に難しい。
AWのキュプラで作成された
もそうだが、簡単そうに曲線を表現しているが、
実はとてもテクニカルなことだったりする。
シルエットは、ハードな生地に相反した、タイトな身頃。
袖は、トレンチコートではあまり無い
立体的な形になっていて、動きが出るようなパターンに。
これも宇宙での動きやすさを意識し作られている。
ジップ部分は、今シーズンのアイテムの多くに使われているのだが、
特注で作製。
宇宙服のグローブの大きさにも、
対応しうるように作られているのだ。
↓ONLINE SHOP↓
BLACK INTELLIGENCE
造語だが、黒い知識を意味するこの言葉を掲げ、
今シーズンは、新しいことに挑戦している
YUKI HASHIMOTO
それは、テキスタイル、カッティングと、
細部まで拘ることで表現されている。
アーティストから着想を得て、テーマにしている同ブランドからは、
ファッションを担うユースに、
「もっとアートに触れてごらん。」
と問いかけてくれているように感じる。
そして、触れることで何かを感じた子達が、
誰かに感じたことを伝え、その誰かも何かを感じる。
冒頭でも書いたような気がするが、
そうしたループが新たなカルチャーを作っていくのでは無いだろうか。
自分にとって新たな価値観を想像してくれ、
そうして誰かと価値観を共有することで成長させてくれる
ファッションという文化を廃れさせないためにも、
この場所を大切にしていきたい。
河村伊将
PALETTE art alive
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