過去を振り返り、思い出に浸ることは、未来に対する冒涜なのだろうか。
ある人は言った。
「過去を振り返るなと」
過去を振り返る事は、今の生活への不満を表していると。
今が充実していれば、過去を振り返る時間などない。
常に人生の最高地点を更新していれば過去は今に比べて儚いものだと。
当時、地元のメンツで飲みに出ては、中学校の頃あった懐かし話を、1.3倍増しくらいにして楽しんでいた自分にとって、新鮮な言葉だったのを覚えている。
それからというもの、過去を振り返る事なく、今ある物に全力で、未来に向けて歩を進めてきたつもりだ。
あの時から何年の月日が流れただろうか。
名古屋も2年目になり、落ち着いた6月。
無性に過去を振り返りたいという衝動に駆られた。
振り返る事をやめた時からの数年間の思い出は、どんな表情をしてるのだろうか。
玉手箱を開けるような感覚で開かれた過去は、しっかりと美化されつつ、今ある自分の立ち位置を示してくれた。
忘れかけていた、自分の歩んできた軌道を
これから先目指すべき方向性を。
BED j.w.FORD
2024 Autumn/Winter Collection
after (that) sceneと名付けられた今シーズン。
パリの公式スケジュールブランドとして、2シーズン目のコレクション。
after (that) scene、直訳すると「あのシーンの後。」
デザイナーの山岸氏は言う「記憶されているものは結局は憧れだと」
なるほど、過去が美化されると言うのはこう言うことか。
自分の思い入れの強かったシーン、影響を受けたもの、そう言った出来事が記憶として色濃く残るのだ。
取捨選択を繰り返し勝ち残った、過去の思い出は、価値のある何かではないだろうか。
大胆に胸元の空いたニットのルックから始まったランウェイ。
圧倒的な存在感を放つダッフルコート、
品のあるピンクやカーキのカラーリング、花柄の刺繍デニム、
アップデートされたチェーンの付いたカーディガン。
どこか真新しく感じるコレクション。
ベッドフォードチーム曰く、シグネチャーであるフレアシルエットが今回は使われて無いとのこと。
確かに、
ボトムスを見ていくとワイドや細身のストレート、クロップド丈etc...
メンズブランドにおけるボトムスの重要度は高く、
今までフレアシルエットがブランドの顔だったからこそ、
ここで”減らす”のではなく”無くす”を選択したというのは
新鮮に感じた印象を裏付けるものでは無いだろうか。
自身を構築してきた「あの頃」を振り返り、莫大な記憶のアーカイヴと対峙した今シーズン。
そこから生み出す、経験した事のないデザインのプロセスは「古傷を掘り起こし、追体験すること」だと山岸氏は喩えた。
「僕の洋服は、やはり憧れから始まっている」と、
過去を思い返すなかで、影響を受けたブランドとして、ソロイスト、ドリスヴァンノッテン、アンドゥムルメステールを上げる。
今シーズンは、上記のブランドへのリスペクトも感じられるのも興味深い。
長らくファションの世界へ浸かっている方なら、新しさの中に、懐かしさも感じられるのではないだろうか。
更に、今季もスタイリングは、山岸氏自身が行なっている。
そういった過去から、新たなものを制作するに当たって、こういう風に着てほしいという願いを込められての事だ。
※上記、プレスリリース
色々と書き連ねたが、「あの頃」のピュアで真っ直ぐなファッションへ対する気持ちを忘れずに、楽しんでいただきたい。
たまには過去を振り返って、今までの経験に価値をつけてあげて欲しい。
締まりが思いつかないので、ここら辺で。
BED j.w.FORD
2024 Autumn/Winter Collection
6/22(Sta.)Start.
今季はサテンシャツ、サテンパンツ、ラメソックスからスタートです。
サテンシャツについては、大阪店のてった君が紹介してくれてるので、是非そちらも。
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待ちに待ったawローンチ。
今週の土曜日です。
今暫くお楽しみに。
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