”Speak less ,Think more”

張貼者 PALETTEartalive

     
  
 
   
 
 
 
僕はお喋りだ。
 
1日の出来事とか何かあったらすぐ話してしまうし、
接客でももしかしたらよく話してるかもしれません。
 
 
”Speak less ,Think more"
 
”多くを語らず、たくさん考える”。
 
無口な人、口数が少ない人は,
こちらから喋りかけてみると
意外にお喋りだったり、自分が考えていなかった事を話す事もあり
なんだか魅力的だなと思います。
 
SUGARHILLデザイナー、林さんもそんな方であり、
彼が考えたこのテーマももしかしたら、
彼の人物像が投影されているのかもしれません。
 
好評頂いた、対談の続編。
(第1弾はこちら)
 
~Interview~ 
 
佐子田)
それでは、今回選ばれた3型の古着について紐解いていきましょう。
ジョージさんが買い付けて来られたこれらは、どの国で見つけて着たのでしょうか?

河合)
この3点はフランスです。
個人的に面白いなと思ったのは、全て同じディーラーさんから
仕入れたものでした。

佐子田)
あの膨大な量でしたけど、そんな事あるんですね。

河合)
はい。ディーラーさんも古着屋みたいなもので、
持っている古着のジャンルが近かったり、得意なゾーンがあったり。
ニュアンスですがクセ的な何かをもしかしたら林さんが感じたのかもしれませんね。
ちなみにこのディーラーさんはフランスでもかなりの曲者です。

佐子田)
なるほど。
ジョージさんにとっても興味深い古着だったという事ですね。
まずはコートから解説お願い致します。
 


河合)
こちらは、断定はできないんですが、
ウールの生地感やボタンの質感からみて
どんなに新しくても1930年代以前の物と見ています。

佐子田)
かなり古いですね。
使われているウールも、現在ではあまり使用されない様な
ゴワっとした生地感でしたね。

河合)
はい。
そのウール自体から読み取れるのは、
決してお金があった国のものとは思えないという事です。
装飾のデザインも加味すると、東欧の国の貴族、高所得者が
着用していたものだと推測しています。

林)
僕も1度着用してみて思ったのですが、
着丈に対して肩の生地が足りていない事に気付きました。
あと他のディティールを見ていくと、
装飾自体は後付けされており、量産されたコートに縫い付けたものだと考えらえます。
”機能面”で捉えてみても、”ただ魅せる”に長けているので、
貧しい国の中の高所得者という推測に辻褄が合ってきます。

河合)
買い付けた理由としては、そもそもの物の価値は勿論なんですが、
装飾の派手さと野暮ったいウールのギャップが面白いと思ったからで、
LOVERSとしてもスペシャルな1着として出す予定です。
ちなみに着るのが大変な服っていうのもLOVERS的スペシャルです。笑
 


佐子田)
LOVERSさんのスペシャルは、スペシャルビンテージというよりかは、
”見た事がない古着”という印象です。
あと着用しづらそうっていうのも確かにイメージがあります。笑
このコートは確か、パッキンを開けて1番上に入っていたと記憶しますが、
他の古着とは、またひと味違うオーラを感じました。

河合)
次はサックジャケットかな。
用途としては労働着、ワークジャケットとして着られていた物です。
後ろ身頃にシェイプが掛かっており、ホースライディング(馬乗り)
の名残を感じれます。こちらもどんなに新しくても1930年頃かと。
形だけ見るとテーラードジャケットの様な見え方をするアイテムです。
 


林)
確か僕たちはこれを”スポーツ”として解釈しましょう、と話してましたよね。
実際にディティールを見ていくと、
前傾姿勢の形、背中にしっかりと入ったダーツ、ポケットの多さ、
その点から、運動量、機能を追究して作られた洋服だと捉えれます。
そこに当時のフォーマルな要素が加えられ、
デザインにデザインが掛け算されている点が良かったです。

佐)
確かに、一見テーラーに見えるので”スポーツ”とはかけ離れている様に
感じますが、時代映画で出てくる馬乗りは、
フォーマルな洋服で乗馬しているイメージなのでどこか納得できます。

河合)
そうですね。
実は、この手の古着はLOVERSの中では”テッパン”な1つです。
ヨーロッパ古着といえば”ユーロワーク”や”ユーロミリタリー”という
古着が一般的。
しかしLOVERSでは”じゃない古い服”を一括りに”クラシック”と捉え、
そういった古着をお店の軸にする事で、洋服の根源や知識に
触れてほしいという狙いがあります。
あと、かっこよさは勿論ですがスタイリングの自由度が高いのも
魅力的ですね。
 


林)
LOVERSさん的、”基本の古着”という事ですね!

佐子田)
最後はパンツですね。

河合)
最後ですね。
このパンツは、ディーラーさんのご紹介では
”タンカースパンツ”(戦車乗り)との事でした。
しかし個人の推察ではミリタリーではあるけど”タンカースパンツではない”と踏んでます。
 


佐子田)
そんな事あるんですね。笑

林)
僕もこれは違うと思っています。
この洋服のディティールから読み取れる情報は
”とにかく天候が悪い地域の服”という事です。

佐子田)
それはどこからわかるんですか?

林)
様々あるんですが、オイルを染み込ませてる点が1番大きいです。
オイルには防水の機能があり、
有名なブランドだとBarbourがありますね。

河合)
確かに。
あと、裾が広い点ですね。
戦車乗りだとブーツインをするので、その点も踏まえて考えにくいかなと。

佐子田)
なるほど。
ミリタリーの割には一見シンプル、ミニマルなので
僕には何か全く読めませんでした。笑

河合)
これを話すと、人によっては衝撃的かもしれませんが
”ミリタリーだけど、何かわからない”が良くて買い付けています。
序盤でも話しましたが、それこそ”古着ならでは”、”古着だからこそ”と
言いますか。
「新品で仮にこれが出ても〜」ともなかなかならない代物だと思っています。

佐子田)
確かに。
現代で着用するには、わざわざ作らない生地感のパンツですからね。

河合)
このパンツもスペシャルとして今後出す予定です。
 


佐子田)
古着の新しい見方、勉強になりました!
ありがとうございます。

林)
僕も企画を進めていく中でかなり勉強になりました。
コートのリメイクなんかは、現代の縫製工場さんが使用しない、必要ない
技術もあったので、意図を伝えるのに苦労しました。
この企画が無ければこういう事も気づけなかったので。
改めて、知識以外の点でも古い服を勉強する機会が必要だなと。

佐子田)
販売、買い付ける側としてもここまで知れる機会がありません。
イベントに来ていただく皆様には、
SUGARHILLのプロダクトへの”探究心”に触れることで、
新しい世界観を広げてくれたら嬉しいです。
 
〜 END 〜
 
上記の内容以外にも触れていない部分や、
林さんが製作したプロダクトについては、敢えてここでは伏せさて頂きました。
 
当日SUGARHILLが用意したキャプションをご覧頂き、
あーだこーだ言いながら推察して頂けると嬉しいです。
 
そして、対談中に思いつきで決まった、
"PALETTE art alive NAGOYA ⇆LOVERS"
のスタイリングルックをお楽しみください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
最後になりますが、
5周年企画をきっかけにご協力頂いた
SUGARHILL様、LOVERS様、本当にありがとうございます。
 
名古屋に来て5年間、お店を運営してきた中で、
想いを募らせていたLOVERSさんとの古着を絡めた企画。
 
SUGARHILL、林さんのお陰で実現ができました。
  
パレットの元々の顧客さんだけでなく、
LOVERSさんのお客様、SUGARHILLのファンの方も
もしかしたらご来店されることでしょう。
 
”ファッションが好き”を共通言語に、
畑の違う人達が交じり合う日を楽しみにしております。
 
それでは当日お待ちしております。
 
佐子田
PALETTE art alive 
 
【OSAKA】大阪府大阪市西区南堀江1-19-1
TEL/FAX : 06-6586-9560
 
【NAGOYA】愛知県名古屋市中区栄5-18-5
TEL/FAX : 052-684-7239
 
【FUKUOKA】福岡県福岡市中央区赤坂2-2-45
TEL/FAX : 092-707-0965
 
  
 
 
  
 
 
 
 

      

 

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