"昨年から続く世界を襲った出来事は、ライフスタイルを見直すきっかけとなりました。
ファッションを心地よい生活の一部へ消化させるためのアウトプットを追求したシーズンとなり、本コレクションのインスピレーション源ともなりました。
新たなYUKI HASHIMOTOをお楽しみいただけたら嬉しいです。"
橋本 祐樹『YUKI HASHIMOTO』デザイナー
倉庫のようなアパートの1番右手には、どうにも普通の部屋ではなさそうな扉がある。ベルを鳴らし、どうぞ、と聴こえ少し錆びたドアノブに手を掛け、緊張しながらもグッと扉を引いた。少し急な階段を登り、突き当たりを左に曲がると迎え入れてくれたのは、YUKI HASHIMOTOの皆さんだった。
アパートが1階にあるような場所とは思えない、只者ではないぞと伝わるオーラをまとったアンティークの家具が並ぶ、神秘的な空間を抜ける彼らの後に続くとまた階段がある。登った先には、"BLUE SKY CONSTRUCTION"と題されたYUKI HASHIMOTOのデジタルプレゼンテーションで見た場所だった。
そう、ムービーで使用していた場所をそのまま展示会場に使用していたのだ。
ヨーロッパの片田舎の立派な家のような空間だったが、何故か、ここは確かに日本だと感じた。
空間には、アンティークの家具とともに、素敵なお洋服が並ぶ。
そして、和の香りのお香が焚いてあった。
過去1番のコレクションだったと展示会後に挙げたストーリーには、ありがたいことに多くの反応があった。僕自身、あまり特別的なことはあげないようにしているのだが、展示会前に伺っていた新たなYUKI HASHIMOTOを目の当たりにし、投稿せざるを得なかった。
今までとは違うと真っ先に感じることが出来たのは、これまで暗いトーンが多かった秋冬シーズンだが、橙や紫の明るさが目に入るカラーパレットだったからか。
いや、黒が少なかったからかもしれない。黒に見えるものはよく見ると濃い茶色だったりする。その色の多くは、どこか懐かしさを感じさせるものだった。
1950年代辺りの、所謂ミッドセンチュリーのムーブメントに軸を当てた今シーズン。ブランドコンセプトである『NEW ORDER』通りルーツが伝わるようなカラーパレットだった。
服をじっくり見る。言うまでもなく、『NEW ORDER』を掲げるYUKI HASHIMOTOの21AWのメインデザインにはミッドセンチュリーの文化や歴史が反映されている。
大胆な異素材の組み合わせで、今でも色あせないモダンなチェアやテーブルを作ったジャン・プルーヴェ。
フェイクレザーの切り替えや、メタルボタンを使用しているモダンなデザインは、彼だけでなく、彼の作るモノに敬意を表したものだ。
この段階で気づいている人もいるだろうが、YUKI HASHIMOTOは、今まででヒトにフォーカスしたコレクションがほとんどだった。しかし、今シーズンは、プルーヴェが作った構築的なモノにフォーカスしている。
ただ新鮮なカラーパレットだけでなく、シーズンコンセプトの根源から新しくなったと感じる。
1st Deliveryで入荷したアイテムは、Tシャツ、ロンT、パーカー、カーディガン、スキニー、コートの全6種類。
商品紹介は、それぞれ後日にするつもりだが、カーディガンとコートに少しだけ触れたい。前述した構築的なモノ。実はこの2つのアイテムは、着る人に委ねる構築的なデザインになっている。カーディガンは、全面にあるボタンを使用することで、コートは一見ミニマルだが隠されたボタンを使用することで、構築的なデザインを楽しむことができる。クラシックなテキスタイルや、色目にモダンなデザインをモードに演出する新しいYUKI HASHIMOTOには、注目していただきたい。
↓ONLINE SHOP↓
ONLINE SHOP公開は、10日0:00より。
店頭より一足先にお披露目なので、気になる方は予めチェックしてください。
YouTubeも同時刻に公開いたしますので、併せてご確認ください。
それでは、また明日。
YUKI HASHIMOTO 2021 AUTUMN/WINTER COLLECTION
"BLUE SKY CONSTRUCTION"
YUKI HASHIMOTO AW 2021 season is a collection that inspired by the era of mid-centry. The mid-century modern style movement, which took place in the 1940s to early 1960s, it influenced on many things so that there are many masterpieces had produced and they are still "modern design” as of now. The style freely incorporating the latest constructing techniques while retaining the spirit of traditional handcrafts has influenced a variety of current contemporary designs and arts.
We believe that the functional beauty and design process of the style is common to fashion. Based on this idea, this collection aims to explore and harmonize various elements, such as using bold combinations of different materials, constructively deformed parts, and also color palettes and fabrics reminiscent of historical backgrounds.
As an example from this collection, the Canadian coats are based on work clothes, also known as carpenter coats, and they are made out of fine wool with contemporary details and mood. As for the textile of the room wear style setup, we referred to python pattern that has weathered overtime and associated with this season's themes, such as vintage, rust, dry texture, cracks, and woods.
We also create shirts and cardigans with rearrangeable buttons. By changing the position of buttons, it creates a space in clothes, creating slits and difference in length, and suggests the range of stylings.
河村伊将
PALETTE art alive
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